【自作ジグまとめ(塗装)】
少し時間が空きましたが、塗装について現状をまとめたいと思います。
メタルジグの作製方法をMさんに学んでから自作するようになって約1年くらい、作製したジグは軽く100個を超えてきてます(笑)
修正に修正を重ねた結果、クオリティもそこそこ上がってきました。
完璧にできたのはこれまでに10個くらいですがね(笑)
モノづくりは奥が深く、完璧に仕上げようとするとかなり時間が掛かりますね(´・_・`)
一方で これまで沢山の人に自作ジグを使ってもらい釣果も上げてもらっていますし、
また、このブログを見て上手くジグを作製できたとのコメントも多く頂いてまして、
それがジグ作製、ブログ更新のモチベーションにもなってます。
なのでもう少し頑張ろう(笑)
それでは本題に移ります。
以下にメタルジグの作製工程を示していますが、自分の作製方法の特徴の一つに工程⑤の熱転写によるホロ貼りがあります。
①メタルジグのマスターの作製
②耐熱シリコンでの型取り
③鋳造
④下地処理
⑤ホロ貼り(熱転写)
⑥塗装
メーカー等では一般的な転写方法になりますが、自分が熱転写に挑戦した当時は、個人で熱転写を採用している方は少なく、ネットで検索しても殆どヒットしませんでした(今はyoutube等でもいくつか出てきますね)。
現在でも多くの人はシールタイプのものをルアーの形に切り取って貼り付ける手法を採用してますね。
どちらの手法が良いとか悪いとかは無く、自分は形を切り取る作業が面倒に感じたため、より簡単にホロを貼り付けることはできないのかを考えた結果、熱転写方式にたどり着きました。
熱転写の良いところは過去の記事でも触れてますが、改めて言うと①ルアーの形に切り取る必要がないこと、②厚みが薄く転写後に段差を埋めるのが楽なこと、③値段が安いことが挙げられますね。
一方で熱転写を採用したことで塗装にかなり気を遣う必要が出てきました。
これが時間を要している理由でもあります(´;ω;`)ウゥゥ
なので今回は塗装方法について紹介します。
またこのブログを見て、皆様の時短の手助けになればと思います!!
これまでに①~⑤については過去にまとめとして紹介してますので見て下さいね!!
1.塗料について
ルアーに使用される塗料としては、水性塗料を始め、エポキシ、アクリル、ウレタン、セルロース系等、様々の種類の塗料が存在します。
メタルジグは、使用方法が過酷であるため硬さが求めらるのは勿論のこと、着底時の衝撃に対しても耐えうる適度な柔軟性も求められるため、上記塗料の中でもウレタン塗料が良く使用されます。
一方でウレタンは上記塗料の中でも値段が高い部類になりますので、自作する場合、より安価でかつ色の種類が豊富なアクリル塗料を使用する方が多くいらっしゃいます。
ネットで検索するとMr.カラーやガイヤのアクリル塗料を使っている方が多いですね、種類も多く安いです!
一般的なアクリル塗料
一方で、折角自作したもの、長く綺麗に使いたい!且つ安価に作成したい、そんな欲が出てきますよね!(笑)
そこでカラーリングは安いアクリルを、ルアーの最表面は高強度なウレタンをと言った合わせ技が存在する訳ですよ。
そしてその合わせ技に落とし穴がある訳ですよ(笑)
2.塗装の基本
まずは塗装の基本についてです。
基本的に塗装する場合、塗装対象物と塗料の密着性が重要です。
密着性が悪いと直ぐに剥がれてしまいます。
その為メタルジグを塗装する場合は、鉛とは材質の異なるものを塗装するため、異種物の密着性を高めるため、下地処理として、プライマーやプラサフ処理を施します。
一般的にはプライマーとしてミッチャクロン等があります。
プライマー処理をすることで異種物間(鉛/アクリル、鉛/ウレタン等)の密着強度は大幅に向上します。
同じ種類の塗料の上から塗装する場合は、下地の塗料と成分が同じであるため親和性が高く密着性も良いためさほど気にする必要はなさそうです。
つまり塗装の基本は、プライマー処理後は同じ種類の塗料で塗装(塗り重ね)することが大事なのです。
あれっ?ちょっと待てよ。。
メタルジグを塗装、アクリルの上からウレタン塗装。。。。
まぁいいや、とりあえずやってみよう、続いて実践編。
3.実践
以下の条件で塗装を実施。
気温:20度 湿度:50%
熱転写前の下地はウレタン。
熱転写後にミスタカラーをエアブラシ0.3mmで塗布。
塗料の希釈率は大体1:1。
熱転写後の様子。
シルバー鱗ホロを転写。
転写後は輝き良好。
転写できていないところは取り敢えず無視してください。
塗装後、全体的には綺麗だが、丸で囲んだところに若干の失透及びシワ。それ以外は綺麗。
原因はいくつか考えられて、1つはホロ自体が塗料の溶剤にやられた。2つ目はホロの下地が溶剤でやられた。
どちらにせよ溶剤にやられたパターン。
こちらのドットホロでも塗装することで、同じような感じで失透、シワが見られた。
また一気に厚めに塗布すればするほど劣化が顕著にみられた。
恐らく厚く塗布することで乾燥までに時間がかかり、溶剤との接触時間がながくなったことでホロ若しくは下地が劣化したと考えられる。
そこで次は、薄く薄くを心掛けて塗布した結果、失透なし、シワなし。
見事に綺麗にできた。
その他ホロについても同様に。
なるべく溶剤を素早く乾燥させることを意識し薄く吹くことで劣化は防げる傾向があった。
一方で同じように吹いても劣化が見られることもあり、綺麗に仕上げる為の条件は非常にシビアな印象。またホロの種類によっても溶剤に対しての耐性が違ってそうです。
このようにエアブラシでの塗布を工夫することである程度まで綺麗に仕上げる事ができましたが、完成度、歩留まりをあげるため各塗料の溶剤について調べてみました。
4.溶剤の強さ(溶解力)について
塗料を希釈する溶剤をシンナーと言います。
またシンナーとはアセトン、メチルエチルケトン、アルコールなどを混合した溶剤の総称です。
アクリル塗料を希釈するシンナーの事をアクリルシンナーやラッカーシンナー、ウレタンを希釈するシンナーをウレタンシンナーと言うみたいです。
アクリルシンナーとウレタンシンナーでは、混合された溶剤の割合、種類が異なるため、それぞれの溶剤の溶解力(溶かす力)も違ってきます。
一般的にはウレタンシンナーよりもアクリルシンナーの方が溶解力は強いとされています。
溶解力の強さをまとめると以下のようになります。
アクリルシンナー≫ウレタンシンナー≫水性
この結果からアクリルシンナーはウレタンよりも溶解力が強い、つまりウレタンの上からのアクリルシンナーを塗布するとウレタンを溶かす恐れがある事がわかります。
これが最初に触れたように、塗装の基本は同じ塗料で塗装することとなるのです。
一方で、違う種類の塗料を塗り重ねる場合は、下地よりも溶解力の弱い塗料であれば塗り重ねることができると考えられます。
今回ジグの作製において、塗装後の状態が安定しなかった理由はこの溶剤の溶解力が原因ではないかと思ってます。
熱転写する前にウレタンで塗装しており、その上からアクリル塗料を塗布した為、下地のウレタンが劣化した可能性があります。
またこのホロ下のウレタンの劣化は、ジギングで1日使用後の状態からも示唆されました。
下の写真が、塗装後に実際に1日使用した後のジグの外観です。
写真では分かりにくいですが、サフの上に塗ったウレタンが剥がれている箇所がいくつかありました。
これまでに、サフ⇢ウレタン⇢ホロ⇢ウレタンで塗装した時はここまで塗装剥がれがなかったことから、ホロの上に塗布したアクリル塗料がホロ下のウレタンを劣化させた可能性が高いとみてます。
そこでアクリル系サフの上から熱転写、そしてアクリル塗料でカラーリング、そしてウレタンで塗布した結果がこちらになります。
1日しゃくり倒して、最後の1流しでヒラマサを釣ったときの写真です。
写真でみてわかるように、殆ど塗装剥がれがありません。
しかもこの日は根が荒い場所で使っていたのでより過酷な状況で使い倒してます。
このように、やはりホロ下のウレタンが悪さしていた可能性が高いことがわかりました!
以上、まとめ
異種塗料を重ね塗りする場合は、溶剤の溶解力が強いものから弱いものの順で塗装する!以上!
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